Red Book – Chapter 11

第11課 条件を示す 「税金に関心がありますか」

■ 本文を読む前に

・税金にはどんな種類がありますか。(→関連語)

・直接税と間接税の違いは何ですか。(→関連語)

・税金の「確定申告」 とは何ですか。あなたの国ではサラ リーマンは確定申告をしますか。

■ 本文

普段の生活で税金を意識するのはどんな時だろうか。人によって色々だろうが、給料をもらった時と買い物の時だと答える人も多いのではかろうか。サラリーマンであれば、給与明細には源泉徴収された所得税、住民税の額が書かれている。また、買い物でもらったレシートを見れば商品の価格に消費税がプラスされていることがわかる。

それでは、課税制度そのものが不公平だと考えることはあるだろうか。私が見たところでは、そこまで税金について関心を持っ人は少数派のようである。私は常々税金への無関心が政治への無関心に結びついているのではないか と考えている。税金は納めるもの、つまりお上の取り立てに従って支払うべきものだという発想が根強い。確かに納税は国民の義務であるが、納税者であればこそ、もっと税金について知るべきだと思う。その知ろうという姿勢が政治を良い方向へ導くことになるのではなかろうか。「どうせだれが政治をしたってそんに変わらないんだから」という声を耳にすると、よけいにそう思う。課税が国民に公平なものかどうか判断する上で参考になる指標としてニつ挙げておきたい。一つは所得税などの「累進課税」で、 もう一つは「直間比率」である。

日本では所得税と住民税は累進課税の方式をとっている。高所得になればなるほど税金として取られる割合が増える仕組みである。これが行き過ぎると、勤労意欲を失うおそれがあるが、高所得者も低所得者も全く同じでは、やはリ不公平に感じる。日本では戦後、段階的に税率が引き下げられ、現在の最高の税率は37%となけ、図1に示すように主要先進国並みとなった。また、中・低所得者層の税負担が比較的低くなっていることもわかる。

直間比率とは直接税と間接税の比率を示したものだ。前者の代表例として所得税、法人税、住民税がある。後者の代表例としては酒税やたばこ税のように個々の商品にかかるもの、そして商品・サービス全体にかかる消費税がある。徴税の仕組みを考えると、直接税が所得に応じてその税率が異なるのに対して、間接税は所得の高い低いにかかわらず、平等に課せられるものだと言える。

図2を見てわかるように、欧米の主要因と比較すると、日本は直接税の比率が高いほうだと言える。直間比率のバランスがどの程度ならいいのかというのは簡単には決められないが、各国ども時代の変化に合わせて、公平な課税制度になるように努めている。特に日本の場合は今後急速に高齢化社会を迎えることになるため、もう少し間接税の方へ事シフトさせたほうがいいのではないかという指摘がある。すなわち、相対的に労働年代の人口が減少していくことを考えると、所得税よりも、間接税により高い比重を置き、課税の時期を労働年代中心から生涯にわたるものに広げていくほうが、税の公平という点で望ましいと考えるわけである。

国の側にしてみれば、財源を確保できないことには予算を組むことができない。かといって、簡単にたくさん取れるところから取ろうとすれば国民は納得しまい。どのような税制度が公平なのかは、国民の合意のもとに決めていく必要があろう。できるものなら高い消費税は払いたくないとは、だれもが思うことだが、だからといって、引き上げには何でも反対というわけにもいくまい。本当に引き上げが必要なのかと考えることが、政治へと目を向けるきっかけになるはずだ。

税金に関して真に国民の意識が高まらない限り、天気予報ではないが、「怒りのち慣れるでしょう」で役人の言いなりで終わってしまう。関心が持てないのなら、なぜそうなのか。その辺から考えてみる必要がありそうだ。仮にサラリーマンが源泉徴収ではなく、めいめいが確定申告をしなければならないとしたらどうだろうか。面倒なことはすべて人任せというのではいけないような気がする。

 

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